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ZXotf パッケージ
~XeTeX でも CID フォントを~

ZXotf は Adobe-Japan1 のグリフ集合をもつ CID-keyed OpenType フォントについて、 XeLaTeX で CID 番号によるグリフ出力を可能にするパッケージである。

概要

Adobe-Japan1 のグリフ集合をもつ CID-keyed OpenType フォントについて、 XeLaTeX で CID 番号によるグリフ出力を可能にする。 齋藤修三郎氏作の OTF パッケージの \CID 命令を XeLaTeX で使うためものなので ZXotf という名前にした。

対応環境

ダウンロード

インストール方法については、パッケージ付属の説明書 (README)を参照してほしい。

サンプル

TeX Wiki の OTF のページ にある例を zxotf で作ってみる。
\documentclass[a4paper]{article}
\usepackage{fontspec}
  %「日本語組版のための設定」は省略します...
\setmainfont{Kozuka Mincho Pro-VI}  % Adobe-Japan1 対応のフォントを指定する
\setsansfont{Kozuka Gothic Pro-VI}  %  (ここでは小塚フォント)
\usepackage{zxotf}
\begin{document}

森\UTF{9DD7}外と内田百\UTF{9592}とが\UTF{9AD9}島屋に行くところを想像した。

\CID{7652}飾区の\CID{13706}野屋

\end{document}

\CID だけ別のフォントを用いる場合は次のようにする。

\documentclass[a4paper]{article}
\usepackage{fontspec}
  %「日本語組版のための設定」は省略します...
\setmainfont{IPAMincho}  % ここは IPA フォント
\setsansfont{IPAGothic}  %
\usepackage{zxotf}
\setcidminchofont{Kozuka Mincho Pro-VI} % \CID 用の明朝フォント
\setcidgothicfont{Kozuka Gothic Pro-VI} % \CID 用のゴシックフォント
\begin{document}

森\UTF{9DD7}外と内田百\UTF{9592}とが\UTF{9AD9}島屋に行くところを想像した。

\CID{7652}飾区の\CID{13706}野屋

\end{document}
注意: \UTF では直接入力の文字と同じフォントが使われる。

同じ参照ページの後にある例を以下に示す。 この中の \゜\ + 半濁点) は ajmacros パッケージで提供されているマクロであるが、 zxotf で macros オプションを付けると ajmacros パッケージを 読み込むので、その中の命令 (他には \ajMaru\ajLig\○ 等) が(多分)使えるようになる。 勿論、このためには OTF パッケージがインストールされている必要がある。 ajmacros.sty の文字コードは UTF-8 か ISO-2022-JP(JIS エンコーディング) のいずれかであればよい。

(この例では BXjscls バンドルの文書クラスと zxjatype パッケージを用いた。 これらについては 「XeLaTeX で日本語する件について」のページを参照してほしい。

\documentclass{bxjsarticle} % BXjscls の文書クラス
\usepackage{zxjatype} % 下2行は zxjatype の「和文」フォント設定
\setjamainfont[RawFeature=-palt]{Kozuka Mincho Pro-VI} %+ 小塚フォントを
\setjasansfont[RawFeature=-palt]{Kozuka Gothic Pro-VI} %+  等幅で使用する
\usepackage[macros]{zxotf} % macros オプション付加
\begin{document}
Adobe-Japan1-5で追加された文字を使った例
\begin{itemize}
  \item 「\゜か」,「\゜き」,「\゜く」,「\゜け」,「\゜こ」,%
        「\゜カ」,「\゜キ」,「\゜ク」,「\゜ケ」,「\゜コ」は鼻濁音を表す。
  \item Macintosh用キーボードの\UTF{2318}(Command key)を押す。
  \item \UTF{2672}を心がけよう。
\end{itemize}

Adobe-Japan1-6で追加された文字を使った例
\begin{itemize}
  \item ほげほげ番組\CID{20556}
  \item ほげほげフェスティバル\CID{20656}
  \item \CID{20939}(Bq: becquerel)は放射能の強さを表す単位である。
  \item フラーレン(fullerene) C$_{60}$は
        サッカーボール状(\CID{20957})の構造をしている。
  \item \UTF{9B87}とは岩魚(イワナ)のことであり,嘉魚とも書く。
\end{itemize}
\end{document}